平成29年度最優秀作品(吉川賞) テーマ「私の好きな岩国の偉人」

長州を救った吉川経幹岩国市立岩国小学校六年 村岡帝河

 ぼくが吉川経幹(きっかわつねまさ)を選んだのは、一八六四年の第一次長州出兵を交戦がないまま終わらせたことがすごいと思ったからです。

 吉川経幹は、吉川家の第十二代岩国藩主であり、十六歳という若い時に家督を継いだ人物です。

 江戸時代末期、長州藩は尊皇攘夷を唱えていましたが、幕府と対立している時、禁門の変で朝廷に向けて発砲し、朝敵とみなされました。朝廷は長州藩を征討するよう命令を出しました。

 長州藩は、禁門の変や下関で異国と戦い、兵力も落としていました。しかも、武器や装備もまだ旧式で、戦いになったら勝ち目はありませんでした。

 しかし、吉川経幹は長州藩の存続を想い、相手の本拠地である広島へ戦いをせずに済むよう交渉しに行きました。

 交渉しなかったとしたら、幕府軍と戦いが起こって負けていたと思います。そして、長州藩がつぶれていたと思います。

 もし、ぼくが長州藩の人だったらやけくそになって戦っていたかもしれません。でも、吉川経幹のおかげで岩国がなくならずに済みました。

 その時の事が歌に残されています。

 「神か仏か岩国様は扇子一つで槍の中」

 岩国徴古館に行ってこんな歌があると知りました。これは、「こぬか踊り」の歌だと祖母に教えてもらいました。岩国様というのが吉川経幹のことだと祖母もぼくも初めて知りました。この歌は吉川経幹が相手の本拠地に武器や装備なしで赴(おもむ)いたことを伝えていると分かりました。勇気があるなと思いました。

 もし、自分もこういう立場が人生の中であったら、武力で相手と争うのではなくて吉川経幹のように争わずに話し合っていろいろなことを解決していきたいです。

 


平成28年度最優秀作品(吉川賞) テーマ「私の好きな岩国」

呉から岩国に来て岩国市立灘小学校四年 林 健慎

 ぼくは四月に広島県の呉市から岩国市に引っこしてきました。呉市に九年ほど住んでいたけど、呉市の特ちょうを自分で調べようと思ったことはありません。

 引っこしてから一カ月くらいたってある時、母が「錦帯橋わたってみる。」と言ったので、錦帯橋をわたってみることにしました。錦帯橋をわたってみるとすべて木でできていて、それに合う金具を使い、大ぜいの人ひとが安全にわたることができ、すごい橋だと思いました。

 昔、錦帯橋は、川の向こうの町に行くためにつくられた橋でしたが、今では観光地にもなって世界遺産にしようという人までいる有名な橋です。錦帯橋は、橋が五連になっているのもみ力の一つです。五連というのは、作るのにふくざつな形をしています。だから架けかえの時に真っすぐな橋でも良いという考えの人もいたそうです。しかし、やはり岩国には、五連の橋が大切だという考えの人たちの努力があって、錦帯橋は今でも五連の橋のすがたでぼくたちの前に立っています。

 岩国市には、特別天然記念物の生き物が二種類います。それは白蛇とオオサンショウウオです。ぼくは、「白蛇の館」に行った時、さわってみたいと思ったので、「親子シロヘビ教室」というイベントに参加して、実際にさわらせてもらいました。ぼくは、さわる前からかみつかれたらどうしようと思っていて、少し不安でした。でもさわらせてもらうと、思ったよりおとなしくて、つめたくてつるつるでした。

 ぼくが、オオサンショウウオに初めて出会ったのは二鹿の野外活動センターです。オオサンショウウオは水そうに入っていましたが、とても大きかったです。オオサンショウウオは清流でしか生きていくことができないので、ぼくたち人間が美しいかんきょうを守っていかなければなりません。

 白蛇とオオサンショウウオはとてもめずらしい生き物です。錦帯橋も世界に一つのめずらしい橋です。ぼくは岩国の三つのすごいものに出会えてよかったです。これからも岩国のことをいろいろ知り、ぼくの好きな岩国をもっともっとふやしていきたいです。